徒然ぼるしち日記

よろず漫画、ゲーム製作を行っている同人サークルぼるしち兄弟、弟hurry@tomが綴るゲーム製作や日々の駄文ブログ

今週のへうげもの

 モーニングで絶賛連載中のデカスロンの山田先生の「へうげもの」。
いやもう実にすげえええというしかない展開です。
とにかくここまでの展開に持っていく積み重ねがすごかった。

 へうげものの利休はいわゆる野望人として描かれています。
堺の有力商人として信長に協力しながら天下を自分が編み出した文化「黒一色の侘び」の色で染め上げようと画策。
そこには既存文化の破壊者である信長の力は必要でしたが、信長の持つ極彩色の華美さは不要でした。
そこで自分の色に染められるであろう秀吉と画策し、明智を利用して本能寺の変で信長を排除。
まさに天下を侘び色に染め始めます。
ですが、そこに野心の色でのみ染め上げられた黒は利休が望む自然な心の思いやりで湧き出る侘びではなく、流行だから「侘び」を意識してわざとらしいもので理想とは似てるようでじつはッ全然違うものとなっていました。
 
 それを親友であり最大のライバルであるノ貫に諭され、自分が「お前の侘びはわざとらしい行き過ぎだ」と奈落に突き落とした弟子である主人公の織部が復活し師匠である利休にみせた世界によりようやく自分の求めるものは何か、そしてそれは押し付けるものではないと悟るわけです。
更には武士社会に利用される侘びを嫌い利休と袂を分かち、豊臣方の敵である北条方に走った山上宗二との再会。
宗二は袂を分かった際に経験した艱難辛苦によりようやく利休の求める侘びを理解しつつありました。
こうしてようやく求めていた侘びの萌芽が始まると利休は感じる訳です。
そしてその為に豊臣方に北条に走った宗二の助命嘆願をする…
ここまでが前回の話です。

 そして今回、ピックアップを受けるのが石田三成。
豊臣統治社会の為に、恩ある秀吉のために厳格な法治社会を築こうとするこの能吏にとって、法と理は絶対のものです。
安定した統治の為にはそれは必要なのですから当然なのですが、それを情の横槍で公然と豊臣に反逆したものを助けろと横槍をいれてくる利休は三成にとっては絶対排除せねばなりません。
つまり、社会統治を司る三成にとって「侘び」とは絶対悪なのです。
そこで三成は宗二が死ぬしかない状況に、過去の宗二の反逆の発言、武士が理解しきれない侘びへの絶望を吐露させ、自分で死を選ぶしかない状況に追い込みます。
そして死刑執行後、無言で利休に宗二の耳と鼻を削がれた無残な首を利休に渡すという徹底っぷり。

 ここからのコマ割りはまさに山田節全開で数ページに渡る利休の憤怒をすげえええええよ山田先生としかいいようがありません。
話からすれば物凄い上げ落としです。
盛り上げるだけ盛り上げていきなりドカンと悲劇をぶつけてくるんですからね。
が、そこで三成を単純な悪として描かず、更には野望の為、手を汚し続けた利休にも報いはあるというとの描ききったのはさすがとしか言い様がありません。

 歴史モノ故、結果は分かってる訳です。その結果にいたる過程こそが歴史マンガの肝なわけです。
ここから利休と秀吉の反目、利休切腹という流れになるのですがそこまでの流れを見事に整地してみせたと思います。
そして瀬戸物を天下に知らしめる野望をもった主人公織部はどうなるのか。
相変わらずへうげものは目が離せませんね
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